Affinity Designer 選択ブラシツールで対象をコピーする方法
Affinity Designerやイラストレーターなどを使用するとき、特定の部分のみを複製して模様を作ったり、人物だけ切り取って合成するといった作業をしたい場合があります。
本講座ではそうした場合に使う「選択ブラシツール」を初心者向けに解説して行きます(本校はMac環境を前提に解説していますが、Windowsでも基本的に操作は変わりません)。
本講座の内容
・選択ブラシツールでコピーしたい対象だけを選択しコピーする方法
・図形ツールの簡単な使い方
本講座では初心者の方に「選択ブラシツール」の使い方を簡単に覚えてもらうため、切り抜きが大変な写真やイラストなどの複雑な素材は使用しません。その代わりに、受講者の皆さまに「長方形ツール」と「楕円ツール」を使って簡単な図形を描いてもらい、「円だけ」をコピーしてもらいます。完成イメージは以下の通りです。
1.土台を作る
まずは、Affinity Designerを立ち上げたら、「ファイル」から「新規作成」を選びましょう(ランチャー画面から新規作成でも同様)。
その後、新規ドキュメントのレイアウトを選ぶ画面になりますが、ここではA4を選択しました。受講者の皆さまは今後、用途に応じて好きなテンプレートを選択したり、ご自身でレイアウトの数値を設定することができます。
この時、「アートボードを作成」にチェックを入れておくと、画面遷移後、自動的にアートボードを作成してくれます。アートボードとは一つのファイルの中に複数のキャンバス(図形や絵を描画するスペース)を機能のことで、Web制作の現場などにおいて非常に便利な機能です。
アートボードは画面左上の「デザイナーペルソナ」⇨画面左側のツールバーの「アートボードツール」をクリック。その後、画面上のメニューバーにある「アートボードを挿入」からでも追加できます。
ただし、その左側にある「サイズ」からは各種デバイスの画面サイズの項目しかないため、本講座のA4サイズに適したアートボードを追加するには、サイズを「ドキュメント」に設定してから、「アートボードを挿入」をクリックしてください。
次のようにアートボードが表示されればバッチリです。
2.図形を描く
次に簡単な図形を描きます。画面左側のツールバーにある「長方形ツール」で画面上に四角形を描きましょう。「長方形ツールバー」を選び、画面上にドラッグすると四角形を描くことができます。その際、SHIFTキーを押下したままドラッグすると縦横の比率が同じになり、正方形を描くことができますよ。ちなみに、私は分かりやすく色を赤に変えてみました。
このように四角形が描ければバッチリです。
ここまでできたら、その上に「楕円ツール」で円を描いてみましょう。先ほどの「長方形ツール」と使い方は基本的に変わりません。SHIFTを押下したまま、ドラッグすることで正円を描くことができます。本講座では形状はあまり関係ないため、ぜひAffinityに慣れるためにも色々な形で試してみてください。
私は四角形と色の違いを分かりやすくするため、円を青色に変えてみました。受講者の皆さまはお好きな色で構いません。
ここまでできれば、あと一息です。
3.「選択ブラシツール」で円を選択する
受講者の皆さまには前のステップで図形を描いてもらいました。本ステップでは「選択ブラシツール」で描いた円を選択し、その後切り取ったり、コピーしてみます。
まず、画面左上のペルソナから、「ピクセルペルソナ」をクリックして選択しましょう。その後、画面左側のツールバーから「選択ブラシツール」を選んでください。
ここで「選択ブラシツール」の解説をします。このツールには「追加」と「減算」というモードが存在します。簡単に述べると、選択範囲を広げるものが「追加」、選択範囲を狭まるものが「減算」です。また、ブラシの大きさを変えることで細かな選択範囲を調整をすることができます。
以下の手順ではまず、「追加」モードで選択範囲を広げます。ブラシの大きさは55ピクセルほどにしましたが、画面のズーム倍率によっては調整する必要が出てきます。そのため、受講者の皆さまは画面上のブラシの大きさを調整しながら、作業を進めてください。
「追加」モードにした、「選択ブラシツール」で円の上をドラッグすると、点線で囲まれた範囲が表示されていきます。
Affinity Designerは非常に賢いので、色や形状を見分けて選択範囲を自動で判別してくれます。もし、上手くいかない場合はズーム倍率を変更してみると良いでしょう(MacだとOptionを押下しながら、マウスホイールを操作でズーム倍率変更)。
私も以下のように「選択ブラシツール」でドラッグしてみましたが、円から少し選択範囲がはみ出てしまいました。こうした場合に使うのが「減算」モードです。
画面上から「減算」モードの切り替え、はみ出てしまった選択範囲を綺麗になぞって行きます。この場合も作業しやすいブラシの大きさに変更すると良いでしょう。
以下のように綺麗に円を選択することができました。
それでは最後に選択した円だけを切り取ったり、コピーできるようにしましょう。そのためには画面上部のメニューバーの「レイヤー」から「ラスタライズ」をクリックします。
この「ラスタライズ」とはピクセルレイヤーを新たに作る機能のことで、本講座の場合では「選択ブラシツール」で選択した円をピクセルレイヤーにした、ということになります。つまり、これが写真ならば、選択した写真の一部をピクセルレイヤーにできます。
さて、「ラスタライズ」をクリックができたら、Command + C (あるいはCtrl + C)でコピーし、Command + V (Ctrl + V)でペーストしてみましょう。これで複製が完了しました。「移動ツール」で円をドラッグしてみましょう。
また、Macユーザーの場合、Optionを押下しながら円をドラッグすると複製しながら移動できるため、非常に便利です。
以下は本講座の完成イメージです。
受講者の皆さまも同様に円をコピーできたでしょうか。
本講座では選択範囲が複雑な写真を用いずに、受講者の皆さまご自身で図形を描いてもらいました。写真の場合、切り抜きたい対象が複雑な形状の場合もあります。本講座の狙いはまず、シンプルな図形を用いて「選択ブラシツール」の使い方に慣れてもらうことです。
次回の講座もぜひ受講してくだされば幸いです。よろしくお願いいたします。
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